マリメッコの創業者を描いた映画「ファブリックの女王」感想

フィンランドの人気ブランド「マリメッコ」の創業者アルミ・ラティアさんを描いた映画があるのを発見したので、昨日鑑賞してみました。

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(ストーリー)

第二次世界大戦後まもなくのフィンランドの地、職を失ったアルミさんは、夫の事業の手伝いを始めます。布を普通に売るだけでは、相手にされない。ではどうするか?

アルミさんはコンセプトを強く打ち出す事が必要だと気が付きます。

可愛らしいだけではない個性的なプリントの布を作り、そしてその利用の仕方をファッションショーを通じて、アピールしていきます。

アルミさんは、外部へ向けた自らの言葉一つ一つをファンシーに飾り立て、ブランドコンセプトを徹底し出します。

そして、コンセプトに合った女性を雇い入れたり、しながら、女性中心でブランドを成長させていくんですね。

ブランドの顔としてのアルミさんは、そのカリスマ性が磨かれ、どこに出ても堂々と振るまいます。

しかしプライベートは違いました。

女性従業員を多数抱え、その全員を守らなければならない(経営不振からリストラを迫られる事もありましたが跳ねのけます)のですが、男性経営陣は、数字の事ばかりアルミさんに突きつけます。

夫もその一人。意見が合わず、頻繁に衝突。

そのうちアルミさんは、不倫し始め、夫も同じくです。不倫相手にも捨てられた事で、いよいよ孤独になり、自殺を図る事も……。

 

(感想)

正直なところ、この映画に期待したのは、マリメッコらしさ溢れる、可愛らしさでした。フィンランドの自然とレトロな魅力溢れる商品が見れたら楽しめるかなと、軽い気持ちで観たのに、この映画は対局なレベルで暗かったですね!!

一言でいうのであれば、マリメッコというブランドを成長させるために、自らを養分とした創業者の裏の顔を描いた映画という感じでしょうか。

映画全体から感じられたのは、とにかく女(アルミさん)VS男(フィンランド社会全部?)。

戦後まもなくは、フィンランドも男性社会だし、男が決めた価値観で固められています(アルミさんの視点では)。その中で彼女は女性をどうやって活用したらいいのか、そして職を与えてやるにはどうしたらいいのか、を只管考えるんです。

映画の中で頻繁に夫や経営陣と口論になるのはそのためです。

人件費がかかりすぎる。建設費が高すぎる。等々。

経営の重圧に耐え兼ね、彼女は酒と優しい男に逃げる様になり、会社にも影響するほどグチャグチャな生活になっていきます。当然不倫相手にも、夫にも逃げられてしまいます。

それでも彼女は最後まで従業員の生活を優先するんですよね。

「ライフスタイル」を作るのだと、そう言った彼女は、まず従業員を不幸にさせまいと考えたんだと思います。

そしてこの映画のもう一人の主人公はなんと、このアルミさんを劇中で演じる主演女優(えw)。彼女は、マリメッコの創業者アルミさんをどう演じていいのか悩みます。

真面目なのか、破天荒なのか……掴みかね、悩む姿が描かれているんです。

フィンランドは現在男女平等なイメージがありますが、もしかしたらアルミさんの様な先駆者が居たお陰で、現在の平等を手に入れたのかもしれません。

それを考えたら、フィンランド女性にとってアルミさんは特別な存在。

リスペクトがあるから、半端に演じたくないという感情があったのかと想像します。

この映画をお勧めできるかというと、正直微妙なところでありますw

劇中劇というスタイルになっているし(しかもアルミさんと、主演女優役のマリアさんは性格が似ている感じで、どこで切り替わったのか曖昧)。時系列がグチャグチャなせいでこんがらがります。

マリメッコの歴史の黎明期にはこれ程泥臭い裏側があったんだと知るにはいいですが、ブランドイメージの様な華やかでポップな内容を求める方は不満を持ってしまいそうだと思いました。